退院した次の週の金曜日、痛みもないし、出血もほとんどないし、どうかな〜？と思いつつ検診を受けたら、「稽留流産（けいりゅうりゅうざん）です」と診断された。お腹の中で、赤ちゃんが死んでしまっている状態だそう。内心、（やっぱり、そうだったんだ…）というかんじ。「母体のためには、今すぐにでも手術をした方がいいですよ。もし心の準備をしたければ待ちますけど、どうしますか？」と言われ、週明けの月曜日まで待ってもらうことにした。もうちょっと待ってたら自分で出てきてくれるかもしれないし、待ってみたいと思った。「生理くらいの痛みと出血だったら、家でゆっくりしていていいですよ。何もなければ、月曜に手術しましょうね」と言われた。
旦那と子供も付き添いで来てたから、三人で（息子は何が何やらわかってなかったようだけど）落ち込みながら、ほっと○っとで弁当を買って帰った。ちょっといいやつ買おうよって言って特焼肉弁当と特海鮮天丼とジバニャン弁当にした。
何か出て来た
母にも「流産したよ〜」と一応報告はしていたけど、とりあえず前から約束していたので遊びにきてごはんを作ってもらったりした。土・日と何事もなく過ごして、（あ〜とうとう明日手術か〜）と思っていたら、日曜の夕方からちょっとずつ生理みたいな痛みが出てきた。まああんまり痛くないし、様子見だな〜と思いながら母の作ったポトフを食べて身体が温まってきたら、痛みが引いてきた。（寒かったし身体冷えたのかな〜）とか思ってたら、ドロッとした何かがお股から出た。「やばい、トイレ行ってくる」と言ってトイレに駆け込むと、多い日の生理ぐらいの血が出ていて、便器も真っ赤だし、ナプキン（一応つけてた）も真っ赤だった。血だけかな？と思ったけど、まだ股の方に違和感があったので、ティッシュで拭うと、どろっとした、卵の白身みたいなのが出てきた。（あ、これはやばいやつや）と思いつつ、落ち着いてティッシュごとジップロックに入れ、また冷蔵庫に入れた。そして、病院にすぐ電話して経緯を説明した。すぐに来れますか？と言われて、（やっぱりやばいんだー！やべー！）とどこか他人事のような感じで思った。
母の車で病院まで送ってもらって、一緒にいてもらった。（日曜だし時間外だったので）先生が診察の準備をしているのを待つ間、母が流産した時の話を聞いたりして少し気が紛れた。いつもは母のことありがたいとか好きとかあんまり思わないけど、やっぱり少し心細くて、この時ばかりはたまたま母が一緒にいてよかったと心底思った。
内診で、赤ちゃん自分で出てきたみたいですね、と言われた。出てきた物体は、胎嚢と絨毛（じゅうもう）（胎盤になる前の組織）だった。あれ？赤ちゃんは？「卵黄嚢（赤ちゃんになる部分）がないですね」と言われた。たまにあることらしい。卵子のエラーみたいな感じだとか。ちょっと理解できなかった。え？卵割ったら黄身が入ってなくて白身だけ出てきたみたいな感じ？ええー…よくわからない。あとあいちゃんが悪くて流産したわけじゃない（転んだりとか関係ない）っていうことを一生懸命説明された。
〜〜ここから心の叫び〜〜
なんだ、やっぱり赤ちゃん最初からいなかったんじゃん。おかしいと思ったよ。５週に入ってるのにつわりもないし、食べ物の好みも変わったりしなかったし、何かの匂いでオエってなったりしなかったし、妊娠したってわかったのになんか特に感動したりしなかったし、いつまでたっても実感湧かなかったし、エコーに写らないし！！！うわーって気が狂いそうだった。なんで？なんでもっと早く気がついてくれなかったの？今までのエコー見たら明らかに赤ちゃん全然いないじゃん！どこにも！！それとも最初は何もなくてもひょっこり卵黄嚢が現れたりすることがあるの？！ないんでしょ？？できれば、仕事やめるって連絡したり、妊娠したよって色んな人に言っておめでとうって言ってもらったりする前に教えて欲しかった。赤ちゃんいなくて、流産するってわかってたら退職じゃなくて休職にしてもらってたのに、とかいろんな思いが一気にブワーッと溢れてきた。
〜〜心の叫びここまで〜〜
その後入院して、子宮の内膜をできるだけ自力で出すために、子宮収縮剤を飲んで、ナプキンを何度か取り替えながら休んだ。相変わらず痛みはなかった。もしこれで全部綺麗に内膜が出てきてしまえば、明日手術しなくてもいいよ、と言われた。でも、明日まだ内膜が残っているようだったら、手術しますから、念のため今から飲まず食わずでいてください、と言われた。
気を紛らわすために母といろんな話をした。個人的に、母の初恋の話が一番面白かった。誰か漫画にしてほしい。
